誰?あ、あれっ痛い。なんで痛いの俺の左頬。
バチバチとした刺激と共に目を開ける。
目の前に見慣れた顔。
「…ぉぁょ」
「はい、おはよう。早くソレ止めて」
ソレ、と言われて騒音が耳に戻ってくる。
枕元から落ちそうになってる時計のスイッチを押した。
それから、もそもそとベッドから起きる。
「ねぇ、さっき俺のことぶった?」
「気のせい」
「…じゃないよね」
だってお前、右の手の平が赤くなってるもん。
リビングの方からコーヒーの香りがする。
俺、コーヒー飲めないのに。
「あのさー、朝ちゃんと起きてよ」
「だよねー」
「あの目覚ましじゃダメなんじゃないの、替えたら?」
「どれも一緒だって」
席に着いてもパンに手をつけず、ボーっとしていると
アイツが新聞を広げながら言った。
「目覚ましを15秒以上鳴らした暁には、
俺がコーヒーで起こしに行きます」
「なに、俺飲めないよ」
「違う、頭からぶっかけんの、淹れたてのアツアツを」
「いやソレ鬼だから」
「頑張ってね」
ほんわり湯気が立っているコーヒーのカップを見つめ
顔をしかめる俺を一瞥し、くすりと奴が笑う。
「紅茶あるけど飲む?」
最初からそっち出してくれりゃいーのに。意地悪。
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