そういう性分だから仕方ない、なんて言われたら寂しい。
俺だって、たかが1コだけど年上って意識は持ってるし。
ていうかそれ以前に恋人っていう立場だし、やっぱ頼って欲しいときもあるんだよ。
「どうしたの」
微妙な変化に気付いてそう訊ねてみても、
アイツの答えはいつも決まってる。
「なんでもないよ」
俺の洞察力なめんじゃねーよって言いたくなる。
一度キレたことがあったと思う。
だけどアイツは尚辛そうに笑っただけだった。
「なんで気付くの、でもホント大丈夫だから」
心配したってキレてみたって、話してくれない。
ほとんど絶望的な気持ちになったのを覚えてる。
その夜も同じベッドに入って、でもアイツはどこを見てるのか分からなくて。
俺の手も声も眼も、なにもかも届いてなかった。
あの時俺が泣いたのは孤独だったからだなんて、知らないだろうな。
それでもアイツは、悩むけど何とか物事を乗り越えてく奴だから、
ちょっとすればいつもの調子に戻ってる。
長引くことは無い。
無いけど。
ひとりで頑張れるのにも、当然いつか限界がくる。
アイツが独りでいようとしたら、俺も同じように独りになっちゃうのに。
その両腕は俺を抱くためにあるんだよ。
なのに悩み事ばっか抱え込んでたら、俺はどこで安心して眠れば良いの。
何も話してもらえないまま、崩れていくなんて嫌だよ、雄也。
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