「ただいまー…お、みんな来てる」
「おかえり、ちとせ」
「お邪魔してます、先輩。あの、お誕生日おめで」
「お誕生日おめでとうございまーす!!これあげまーす!!」
「あゆみくん、俺にも言わせて欲しかったな」
「ありがと、食玩かなり買ったな」
「大人買いしました!!」
「小遣い大丈夫かよ、高校生(笑)」
「俺からはケーキです。初めて作ったんですけど…」
「ローソク立てんでしょ?うわー美味そう!
雄也のよりずっと形もキレイじゃね?」
「がーん」
「あゆみ、たつき、ふたりともありがとな!」
「ローソク立てたし、じゃ、ちとせ、お願いごとは?」
「えーこの歳になってまでやんの?」
「いーじゃん、儀式儀式!」
「一吹きで消すんだよー!!」
「ん〜…何にしよう…あ、そうだ」
「えっなになに!?」
「『今年もジャガーさんと遊べますように』」
「え」
「あっ、消しちゃった」
「ちとせー、ホントにあのお願いで良かったの!?」
「なんで?ダメ?」
「ダメってかさぁ…」
「はい、じゃあケーキ切りましょうよ先輩方!」
「はいはい!俺が切る!」
「ちゃんと均等に…や、黒崎先輩の大きく切れよ」
「出来た!俺これがいいー!!」
「大きさバラッバラ!てかあゆみくん、
いちばんデカいの取ってんじゃありません!」
* * *
「あっ、やったぁぁぁ!!
ねぇ見て雄也、あゆみがくれた食玩の中に
ジャガーさんにそっくりなコーギーのマスコットが!」
「マジだ、すげぇー」
「やぁー可愛いね」
「…ちとせ、さっきのさ」
「さっき…?あぁ、ローソクへのお願いごと?」
「ん…いや大したことじゃないけどさ」
「うん?」
「ちょっと…期待してたんだけど…とか言うのも馬鹿だな俺」
「あぁー、またジャガーさんにヤキモチか」
「ヤキモチってか…」
「あのね、ローソク消すときにお願いごと言っちゃったら、
願いは叶わなくなるって話、知ってた?」
「え、あ?ある…気がするけど」
「だからね、俺あんときホントのお願いは言ってないよ」
「じゃあホントのって?」
「だーかーらぁー、言ったらダメなの」
「あ、そっか…」
「気になる?」
「まぁね」
「じゃあ今晩も一緒に寝るよね?」
「うん、まぁ」
「そのときに少しだけ教えてあげる」
「ん…うん」
(雄也とずっと一緒にいられますように)
PR