「眠い?」
虚ろな目をして俺の肩に頭をもたれる。
なんでこんな時間まで起きてんだろ。
ちとせは別に、観たいテレビがある訳でも無いみたいだし、
ずっと俺の隣に座ってうつらうつらしてる。
さっき、弱いくせに酒飲んだから、
もう頭がぼぉっとして仕方ないんだろうな。
先にベッド、行けば良いのに。
別に俺に付き合って起きてる必要、無いのに。
「寝たら?」
「…んーん」
俺はレポートが完成してないから、まだ寝られないんだけど。
「まだかかるよ、時間。先寝て良いって」
「…ぃやー」
「やー、って…なしたの」
多分アルコールが入ったせいなのか、
いつもとは全然違う甘えた口調。
可愛くて仕方ないんだけど、でもやっぱ…寝な?
もう一度促そうとすると、
「……一緒が良い」
「ん?」
「ベッド入るときさぁ、ひとりなのヤダぁ」
「後から行くし」
「そんときには俺寝てんじゃん」
そりゃこんだけ眠たそうならな。
枕に頭つけたら即、夢の中だな。
ちとせは俺の顔を見上げて、とろんとした目で言う。
「寝るときに、ゆーやがいないとイヤ」
あぁ、もう。
なんだその殺し文句。
しゃーねぇなぁ。
「…んじゃぁ寝付くまで添い寝したげよう」
「やぁったー」
ベッドに行きゃ、どうせすぐ意識は失うくせに。
その後、お前の寝顔見た後、俺はまたレポートだよ?
あーぁ、マジやってらんない。
お前は朝になれば覚えてないくせに。
自分が言ったことも、どんな眼や唇をしてたかも。
それなのに、一日の終わりは恋人と、なんて
ずいぶんと甘えた勝手なやつ。
そんなお前に付き合う俺も、かなり甘いよなぁ。
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