“寂しかった?”
そう訊かれたら、なんて答えてやろう。
今はジャガーさんも雄也の家だし、
この1週間はマジひとりぼっちだったわけ俺。
家事炊事、全部自分でやんなきゃだったし。
別に慣れてるから良いけどね。
けどね、その“慣れ”って恐いよね。
雄也の作る料理をふたりで食べるのに慣れた。
雄也の好きなテレビ番組を新聞でチェックするのにも、
慣れて俺のひとつの癖になった。
ベッドだって…隣りに雄也の香りがあることに慣れてた。
たったひとり、広く感じるベッドの隅で、
だんだん薄れていく香りをかぎながら、
雄也が帰るまでの日を指折り数えた夜。
“寂しかった?”
そう訊かれたら、なんて答えてやろう。
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