「な、にさ、突然。キモい」
「ひでー、ホントなのに。くすん」
「可愛くないし」
自分の眼は好きになれない。
てか、外見まるごと大嫌いなのに。
コイツはいつも、好きだと言ってくる。
「お前ならさ、眼で殺せるよね人を」
「ころす?なに?」
「いや物騒な意味でなくて。いろんな人を虜に出来るよなーって」
「…嬉しくない」
この眼にそんな力があったとしても、何の意味もない。
たくさんの人間を捕まえたって何したって、欲しいのはただ一人だけ。
「ずっと俺だけ見ててくんない?」
「死にたいの?」
「その眼に殺されるなら、まぁ、悪くない」
あ、そ。いーよ。
じゃあぜったい眼そらすなよ。
生き返ることなんか出来なくしてやるから。
ずっとこっちだけ見てろ。