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創作小話。同性愛的表現含。
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ガシャガシャと音を立てていたプリンタのスイッチを切り、
グラフや誰か偉い(多分)人の論文が印刷された紙を、
パソコンラックの端でトントンと整える。
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「おはよ」

「お゛ぁ゛よー…」

「雄也、声!」

「ぁ゛、あ゛ー喉いて…」

「うつったー」

「うわヤダ」

「俺風邪ひいてんのに横で寝っからだよ」

「もー…やっべぇ声」

「そのハスキーボイス好きだよ俺」

「ありがと、でも喋りにくいんだわ(笑)」

「治しちゃうの」

「治ったら俺嫌われんの?」

「んーん、別に」
雑誌を読んでいたら、視界に入ってきた影が口を開いた。



「あのさ雄也、前から言ってたけど」
「ん?」
風邪をひいた。熱が出た。
流行りを追いかける俺ではないけど、
毎年この時期は他の大勢の人の例に漏れず、
決まってどこからか菌を貰ってくる。
そんで雄也は決まって、イチゴを持って見舞いに来る。
風邪うつるから良い、なんて遠慮は社交辞令でもしたことない。
雄也だって、たまには強気に出てみたいんだもの。


「ちとせクン、俺に好きって言って下サイ」

「やだ」

「ぁんで」

「そっちこそ、なんで。んなこと」

「クリスマスだから」

「っせ。関係ね」

「言いなさい!」

「バカか!しつっこい!」

「あーじゃあちとせは俺んこと好きじゃないんですね
 そんならそれでいーっすよ、俺帰っから」

「あぁ帰れ」

「こないだ告ってくれた娘のトコ行きますから。
 カノジョのが可愛いし。ちとせクン冷たいし」

「…告られてたの」

「そ。同じゼミの娘に」

「知らない、それ」

「言ってないもん。言う必要無かったかなーて思ってたけど!
 まぁちとせクンに嫌われたんじゃ仕方ないんで、そっち行きマス」

「ホントに?」

「ホント」

「…………」

「じゃ、そゆことで」

「……好きじゃなかったら一緒にいないし家にも泊めないしあんなこともしない!」



※“あんなこと”っつーのは、皆様ご想像でどーぞ。by.雄也



「最初っからちゃんと言ってくれりゃいーの」

「………」

「ぇっ嘘、泣くなよ!マジでか!ごめんやりすぎた…」

「もー知らね!バカ!死ね!」

「調子に乗ってすみませんでした…」
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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