忍者ブログ


創作小話。同性愛的表現含。
53  52  85  51  84  71  70  69  68  83  82 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

風邪をひいた。熱が出た。
流行りを追いかける俺ではないけど、
毎年この時期は他の大勢の人の例に漏れず、
決まってどこからか菌を貰ってくる。
そんで雄也は決まって、イチゴを持って見舞いに来る。
風邪うつるから良い、なんて遠慮は社交辞令でもしたことない。

俺はベッドの中に入ったまま、雄也が動き回るのを見ていた。

「イチゴ食う?」
「あとで。薬飲んじゃったし」
「ん。あ、コレ洗濯する?」

一昨日から寝込んでるから、かいがいしく手伝ってくれる
雄也がとても有り難く感じる。
(男の一人暮らし同士か…変な光景っ)

んなこと考えてたら、雄也の手が額を覆った。

「ちとせ、熱は…」
「触んなっ!」

やっべ…思っきし手ぇ振り払っちゃった

「ごめ…」

あ、すっげ傷ついた顔してる、どうしよ
違う、違ぇよそうじゃなくてあーもー
どーしてこんなときばっか鈍いんかなお前は

こんなときまで、素直じゃないんかな俺は。

「…熱、上がるか、ら……ぁの、触られっと、……お前、に」

何これ何これ意味不明文脈理解不可能
俺ホントに文学部!?
伝わんねぇよ、これじゃ、全然わけ分かんね…

「そか、ん、了解した」

えー嘘、今ので理解できたってか
嘘だ、コイツぜってぇ無理して笑って…

…………

…………

もーやだ、コイツの顔
大ッ嫌い………………大好き。

上体を起こして、腕を伸ばして、その俺好みな笑顔の
両頬をびよーんて伸ばしてやった。

「はいブサイクー」
「…ひほへ(ちとせ)」
「あっヤベ頭痛い!寝る!」

身体が火照って息苦しい。
自分から熱上げるなんて、何バカやってんだか。
でも、うん、次に目が覚めたらきっと、
ひんやりイチゴが目の前にあるもんね。
今は冷えピタで辛抱してやろう。
PR
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
最新記事
バーコード
カウンター
Edit by : Tobio忍者ブログ│[PR]