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創作小話。同性愛的表現含。
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部屋に帰ってみたら、ちとせがソファで何か弄っていた。
俺に背を向けたまま、おかえり、といつも通り。
ただいま、と返事をし歩み寄って手元を覗き込む。

「…紙コップ?」
「糸電話」
「なに、作ったの」
「んー」
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「眠い?」

虚ろな目をして俺の肩に頭をもたれる。

なんでこんな時間まで起きてんだろ。
ちとせは別に、観たいテレビがある訳でも無いみたいだし、
ずっと俺の隣に座ってうつらうつらしてる。
さっき、弱いくせに酒飲んだから、
もう頭がぼぉっとして仕方ないんだろうな。
「ちとせくん」、そう馴々しく呼ばれるのが昔から大嫌いだった。
小さい頃は特別親しい友人なんてものもいなかったし、
ケンカばっかしてたから、どっちかっつーと嫌われ者?
だから呼ばれるときは大抵「黒崎」だったけど。
たまにいたんだよね、変に親しげに「ちとせくん」なんて呼ぶ奴。
「おはよーおはよーおはよー」

なに、うっせぇな今何時?
…まだ6時前じゃん。
「ただいまー、あー疲れたー」

「雄也ぁ、腹減った」

「おかえりくらい言えないもんですかね」

「ハイハイ、オカエリ。今日なんかあった?」

「うちの大学、見学会じゃん!」

「あぁ、そういやそうだ」

「ホント無頓着だな。で、俺は学校案内係だったの」

「えー、俺なら絶対無理。知らないオバサンとかと話せない」

「いや、割と学生だけで来てんのが多かったよ。
 …あ、あいつに会った、たつき!」

「誰だそれ」

「高校の後輩だよ、一回会わせたじゃん」

「………知らない」

「そっかぁ。なんかいつも二人組で、
 ちっちゃいのとでっかいので。
 そのでっかい方なんだけど」

「………ちっちゃい方は、アユミ、だっけ」

「そうそう、覚えてんじゃん」

「でも、でっかい方知らない。でか過ぎて記憶に残らない」

「…それ、ただのヤキモチっていうか。
 しっかり記憶に残ってるよね」

「なんであんなに身長伸びんだよ!
 マジわけ分かんね!ムカつく!」

「ちとせさん、大人気ないよ」
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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