黒く染まる

「自分に自信ない人って、黒選ぶんだって」

その言葉をきいても、フシギと頭に来なかった。
明らかな挑発なのに、そうかもなぁ、と納得してしまう。

プラネタリウム

「ちとせー、プラネタリウム行かない？」
「ぷらねたりうむぅ？」
「科学館に新しく出来たんだって」

あぁ、と小さく呟いて刹那、目線が逡巡する。

確信犯だろ、お前

ガシャガシャと音を立てていたプリンタのスイッチを切り、
グラフや誰か偉い（多分）人の論文が印刷された紙を、
パソコンラックの端でトントンと整える。

うつる

「おはよ」

「お゛ぁ゛よー…」

「雄也、声！」

「ぁ゛、あ゛ー喉いて…」

「うつったー」

「うわヤダ」

「俺風邪ひいてんのに横で寝っからだよ」

「もー…やっべぇ声」

「そのハスキーボイス好きだよ俺」

「ありがと、でも喋りにくいんだわ(笑)」

「治しちゃうの」

「治ったら俺嫌われんの？」

「んーん、別に」

Light

雑誌を読んでいたら、視界に入ってきた影が口を開いた。



「あのさ雄也、前から言ってたけど」
「ん？」