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創作小話。同性愛的表現含。
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お前が手を出せば、確実に俺に勝てる。
腕をねじ上げ押さえ付けられたら俺は抵抗出来ないし、
簡単に黙らせて、お前は自分の好きなようにすることが出来る。
なのにお前は、一度もそういう手段をとったことがない。
いつだってちゃんと、俺の意見も尊重しようと、
多分きっとギリギリのとこまで辛抱して話してる。
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「あーマジ腹立つわお前!」

本気で怒らせてしまった。
これまでも俺は我が侭いっぱいだったけど、
コイツはいつも笑って許してくれたから。
今回も大丈夫なんじゃないかって、
ちょっと考えが足りなかった。
こっちが強く出れば向こうはたじろぐし、
言い争いの度に勝ってるつもりだった。
「今からウチ来れない?」
「え、今から……て」
Ren_027-1159628483-w.jpg



「あ、ちょっとスゲェあの空、なぁ見てみ」

「運転中だって!つーか見えてるし。
 キレーだな」

「おー……太陽から脚が伸びてる」

「詩人だな」

「まーね」

「でも実際キモいな、太陽から脚」

「想像しちゃダメだよそんなもん」

「そんなもんて、おま……最初に言ったくせに」
「おーい、何してんの」

「あのさ、鏡の向こうって、どうなってると思う?」

「………何の話、アリス?」

「あぁ、そんな感じ」

「鏡の向こうが気になんの」

「気になる……うん、もう1人の自分が」

「いるような?なんかよく聞くよね、そんな話」

「うん、でさ、もしさ、鏡に映ってる自分が
 今ここにいる自分と違ったらーって」

「………」

「例えばね、鏡の中の俺はもっと
 思ったことハッキリ言えたり、とか」

「理想の自分ってやつ?」

「ん、まぁ、そっかなー」

「………」

「そんな俺がもし鏡の中から出てきてさ、
 そしたらお前はこんな俺…」

「あのさぁ、何自信失くしてんだか知んないけどさ」

「………」

「そんな堂々としたお前ヤだし俺」

「……あー」

「………今ので、良い」

「今の、で?」

「……や……今の、が」

「……ふーん、そっか、あ、うん、はい」

「うっせーな下んないこと言ってねーで
 さっさと準備しろよ出かけんだから!」
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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