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創作小話。同性愛的表現含。
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風邪をひいた。熱が出た。
流行りを追いかける俺ではないけど、
毎年この時期は他の大勢の人の例に漏れず、
決まってどこからか菌を貰ってくる。
そんで雄也は決まって、イチゴを持って見舞いに来る。
風邪うつるから良い、なんて遠慮は社交辞令でもしたことない。
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雄也だって、たまには強気に出てみたいんだもの。


「ちとせクン、俺に好きって言って下サイ」

「やだ」

「ぁんで」

「そっちこそ、なんで。んなこと」

「クリスマスだから」

「っせ。関係ね」

「言いなさい!」

「バカか!しつっこい!」

「あーじゃあちとせは俺んこと好きじゃないんですね
 そんならそれでいーっすよ、俺帰っから」

「あぁ帰れ」

「こないだ告ってくれた娘のトコ行きますから。
 カノジョのが可愛いし。ちとせクン冷たいし」

「…告られてたの」

「そ。同じゼミの娘に」

「知らない、それ」

「言ってないもん。言う必要無かったかなーて思ってたけど!
 まぁちとせクンに嫌われたんじゃ仕方ないんで、そっち行きマス」

「ホントに?」

「ホント」

「…………」

「じゃ、そゆことで」

「……好きじゃなかったら一緒にいないし家にも泊めないしあんなこともしない!」



※“あんなこと”っつーのは、皆様ご想像でどーぞ。by.雄也



「最初っからちゃんと言ってくれりゃいーの」

「………」

「ぇっ嘘、泣くなよ!マジでか!ごめんやりすぎた…」

「もー知らね!バカ!死ね!」

「調子に乗ってすみませんでした…」
イブくらいは少し素直になれるのかも知れない、ちとせ。



ピンポーン

「すいませーん、お届けものでーす」

「はーい、今開けま」

「じゃーんウッソー俺でしたー」

「……まぁ多少予想はしてたけど」

「お邪魔しまーす」

「はいはいどーぞ。散らかすなよ」

「だいじょぶっす!渡したいもんあんだけど」

「なに?めずらしー」

「はい、クリスマスプレゼント。明日会えないし」

「あっマジで?悪ぃ俺なんも準備してなくて」

「あーいい、いい、そんなのは。俺あげたいだけだから」

「サンキュー。開けてい?」

「もう開けてるし(笑)
 ど?お気に召しました?」

「……すっげー…これ欲しかったんだよ!雄也エスパー?」

「良かったー。絶対気に入ってもらえるとは思ったけど」

「どーしよ…こんな良いもん貰っちゃって、お返し…」

「んーホントいいから全然。」

「そ?」

「喜んで頂けただけで光栄の至りにございます」

「待ってお前どこの人(笑)」

「ホントに、ちとせがいるだけで幸せ」

「そ、じゃー俺はお前のために一緒にいてやるよ」

「ありがと」
「相手が幸せなら自分は身を引くのとさ、
 完全に独占したいの、どっちが究極の愛だと思う?」

「えーいきなり何を言うの」

「いーから!ちとせはどっち?」

「俺ぇ?めんどいこと聞くなぁー」

「ちとせ、真面目に」

「………身を引くのは、ない」

「マジで?相手に他に好きな奴がいても?
 独占しちゃいたいタイプ?」

「他の奴より俺といるのが幸せって思わせるタイプ」

「すっげ…つか、さすが?」

「伊達にお前より1年長く生きてないんすよー」

「そこで先輩面されてもなぁー」

「んでお前はそれ訊いて何したいわけ」

「んー?…や、単にちとせはどうなんかなーて思っただけで」

「訊かなくても分かんじゃん、一緒にいりゃ」

「そう…なんかな」

「だって実際お前、俺といんのが幸せっしょ?」

「…ん」

「他に好きな奴いんの」

「全然、まさか」

「じゃー別にいいじゃん。幸せでいれば?」

「…そうさせて頂きます」
鬼さんこちら 手の鳴る方へ



音だけを頼りに、見えないものを探す。
暗闇の中に手を伸ばして。
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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