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創作小話。同性愛的表現含。
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「お前、今日は香水つけてないの?」
「切らした」
「あーホント、じゃ作んなきゃだね」
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俺はもともと、人に何か贈り物なんてしないタイプだし。
だってめんどくさいじゃん、いちいち考えんの。

(こっちの色のが…いや、でも形が悪い)

両手に商品を持ち、あれこれ入れ替えて比べてみる。
そうやってもう、どれくらい経ったろうか。
ちょっとした出来心だったのに。


「あれ、なしたの」

「…………」

「あ、あーあれか、もしかして、足痺れた?」

「…………うん」

「ふはっ 触っちゃおっかなーぁ」

「やっめろバカ!触んなよ、ぜってーこっち来んな!」

「……えぃっ」

「ッッ…!!」

「ぶっ」

「…っ……てめ…マジ殺す!」

「かっわぃいー」

「……おまえ嫌い」

「まぁた、んなこと言っちゃってー」

「もー嫌い。ホント今日の本気だから。嫌い」

「ぇ…マジ?」

「大嫌い。どっか行け」

「ちょ、待てって、んなマジでキレることじゃないじゃん!
 ほんのイタズラじゃん、落ち着けって」

「……………」

「おーい…」

「……………」

「……ちとせー…?こっち向いて?」

「……………」

「ご…ごめん、な?…なぁちとせってば」

「……………パフェ食いたい」

「ぱ…?」

「イチゴソースかかったヤツ。駅前のカフェの。
 食いたい。今すぐ。連れてけ」

「や、今すぐって、んな…」

「い、ま、す、ぐ。雄也大嫌い」

「…はい、ソッコーで車出します、王子様」
尽くしたい雄也君。
ちょっとガキっぽいちとせ君。


「俺の言うことなんでも聞いてくれんの」

「うん!なんでも!ちとせ君のタメなら!」

「キモ…ッ」

「………ぁ、でもやっぱ無理」

「は?」

「あんね、お前んこと嫌いになって、ってのは無理」

「……な」

「もぉそんだけは無理マジ不可能だから!ごめんな!
 ホントダメ、それやったら俺死ぬマジで死ぬから!」

「な、わぁったって!!こんなトコで喚くなよみっともない!」

「よかったー、それ言われたらどーしよって一瞬本気で焦った」

「…………バーカ」

「バカて!」

「言うわけねーだろっつのバーカバーカ」

「んなバカバカ……」

「そんなバカにお願いすんのはねぇ……なんにしよっかな」

「バカ4回目」

「……ぇ…っと、じゃぁねぇ……」

「なに、なんでもいーよ、なんか欲しいもんでも」

「…………“別に俺のそばにずっといても構わないけど?”」

「へ?」

「ん、今のでいーよ」

「ぇ、や、今のってお願い?
 嬉しいけどっつーか明らかにお願いの形じゃなくね?」

「嫌なら取り消すけど」

「ぃッ嫌じゃない!上から目線も何も気にしない全然まったく!」
「風呂あいたよー」
「おー…ってお前ちゃんと髪乾かせよ」

タオルを頭にかけ、風呂上がりの一杯
―つっても、酒は弱いからアイスコーヒーなんだけど―
を冷蔵庫から出していると、コイツの忠告。
髪なんて…ドライヤーめんどくさいし、
いつも自然乾燥でいっかって済ましちゃうのに。
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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