ちょっとした出来心だったのに。
「あれ、なしたの」
「…………」
「あ、あーあれか、もしかして、足痺れた?」
「…………うん」
「ふはっ 触っちゃおっかなーぁ」
「やっめろバカ!触んなよ、ぜってーこっち来んな!」
「……えぃっ」
「ッッ…!!」
「ぶっ」
「…っ……てめ…マジ殺す!」
「かっわぃいー」
「……おまえ嫌い」
「まぁた、んなこと言っちゃってー」
「もー嫌い。ホント今日の本気だから。嫌い」
「ぇ…マジ?」
「大嫌い。どっか行け」
「ちょ、待てって、んなマジでキレることじゃないじゃん!
ほんのイタズラじゃん、落ち着けって」
「……………」
「おーい…」
「……………」
「……ちとせー…?こっち向いて?」
「……………」
「ご…ごめん、な?…なぁちとせってば」
「……………パフェ食いたい」
「ぱ…?」
「イチゴソースかかったヤツ。駅前のカフェの。
食いたい。今すぐ。連れてけ」
「や、今すぐって、んな…」
「い、ま、す、ぐ。雄也大嫌い」
「…はい、ソッコーで車出します、王子様」