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創作小話。同性愛的表現含。
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お前が手を出せば、確実に俺に勝てる。
腕をねじ上げ押さえ付けられたら俺は抵抗出来ないし、
簡単に黙らせて、お前は自分の好きなようにすることが出来る。
なのにお前は、一度もそういう手段をとったことがない。
いつだってちゃんと、俺の意見も尊重しようと、
多分きっとギリギリのとこまで辛抱して話してる。

それが特別な優しさとは思わないけど。
ありがたいとか、そういうんじゃないけど。
お前のその真っ直ぐさは、好きで。
寂しくて、たまに邪魔で、でも尊い。
身勝手に振る舞う俺には無いものだから。
俺はお前のそんな気遣いの上に、あぐらを掻いていた。
何度も反省してたはずなのに、
どうしてこうなってしまうんだろう。

「……ぁ、の」
「………」

お願い、無視しないで。
いや分かってる、ちゃんと聞いてくれてる。
背中をこちらに向けて、嫌いだと以前言っていた番組が
かかっているテレビのチャンネルを変えることもしないで。

「……ごめん」
「………」
「…ホント…甘えてた……と思う、ごめん」

口にすると本格的に情けなくなってきて、俯いてたら
俺のより大きな手が頭の上に置かれた。
くしゃり、と少し乱暴に、限りなく柔らかく撫でられる。

「よかった」
「………」
「ちょっと怒ったらお前黙っちゃうんだもん、
 もー俺と話もしたくなくなったんかと思った」

ちょっとじゃない。
すごく恐かった。

「嫌われたんじゃなくて、よかった」

お前のそういうところがさ、ムカつくしさ、
でも愛おしくて仕方ないんだよ。
泣いたりなんかしない。
そこまでカッコ悪いのは嫌だ。

ごめん。
離れて行かないで。
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初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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