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創作小話。同性愛的表現含。
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生まれて初めて与えられるもの、名前。

自分の名前を好きだと言えることは素敵だと思う。
自分を自分として、生きている感じがする。

「たつきって名前さぁ、珍しいよね」
「ん?そうでもないじゃん」
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学校で一緒にいられる時間て、
結構限られてるし。
だから勝負は放課後だよ。
いっぱい遊ぶの!
朝、目覚めると、俺の身体は
雄也の腕に捕らえられたままだった。
…この姿勢で寝てたのかよ。ったく。

「雄也、起きてよ」

まだ深い眠りにいる雄也に声をかける。
そんくらいじゃコイツは起きない。
分かってる、ので、俺を離そうとしない
雄也の腕を、思いっきり払い退けた。

「ぅ…いってぇよ何」
「起きてって言ったじゃん」
「もー少し優しく起こすとかさ、ないわけ」
「ない。めんどくさ」

別に優しく起こしてやっても
良いけど、良いけどさ。

「…じゃあキスとか、するよ?」
「えっ」

こういうこと言えば、
すぐ顔真っ赤にしてさ。

可愛くて愛おしくて、
だからついイジワル。
「バンソーコーない?」

「絆創膏?こっちの引き出しに…なに、怪我したの?」

「紙でちょっと切った」

「どれ、どんくらい」

「いや、大したことないんだけど、痛い」

「あー、そんな深くないね。
 でも触れて痛いなら貼っとく?」

「…ん、んー……舐めとけば…治る、かな」

「え、あ、そ?大丈夫?」

「……だいじょぶ、でも、痛い」

「…? ?」

「……ダメだ気ぃ利かねー」

「え」

「冗談でも“俺が舐めてやるよ”くらい言えって」

「…お前って、普段照れ屋なくせに、
 唐突にすんげーハズいこと言うよね」

「………」

「傷、舐めてあげよっか」

「要らない。ハズい」

「うわコレだもん」
空腹は人を苛立たせる。



「雄也!ダメ!」

「ぁい?」

「今日のカレー!何この、“シャリ”って食感!?」

「…たまねぎ」

「んなこた知ってんだよ!」

「ぇ、は?」

「カレーのたまねぎは“トロ〜”っだろ!
 キモいんだよシャリシャリすっと!」

「………」

「いつもはちゃんとトロトロなのに…
 お前、今日手ぇ抜いたろ、いい加減だったろ」

「だって…ちとせが腹減ったって言うから…
 少しでも早く飯にしようと…」

「煮込みが甘ぇんだよ!!」

「…俺の愛情込めた言い訳、きいてくれてます?」

「死ね!シャリたま!」



※シャリたま…シャリシャリしたたまねぎの略。
初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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