え、と…昨日はあれからどうしたっけ。
雄也が謝って抱き締めてきて、その後。
多分、昨日はホントに腕に抱かれて寝ただけだと思う。
ぼんやりしてて記憶が曖昧だけど、うん。
お互い服も着てるし、身体のダルさも無いし。
もっとも、あの状況で俺を抱いたら雄也の人格を疑うね。
時計を見れば、まだ6時前。
ちょっと早いな、も少し横になってよ。
「…ちとせ…」
呼ばれて反射的に自分の首元に手をあてる。
雄也のは寝言、でも俺のこの反応は…。
俺、昨日のことでは悪くないよね?
だって菅原慎が変態なんだし。
でも雄也が謝っちゃったし…。
「…雄也」
寝息を立てる雄也の腕の中に潜り込んで、背中を抱き締める。
寝てるはずなのに、雄也が俺の頭を抱き寄せた。
これももう、条件反射みたいなもんかな。
「…好き」
「………ぅ〜…」
囁いてみたけど、やっぱり寝ぼけてる。
安心してみたり、がっかりしてみたり。
昨日のこと、忘れられなかったけど、
不快な気持ちは大分取り払われた。
雄也の腕の中だったからかな。
ジャガーさんはまだ寝てる。
最初に俺の不安、感知させちゃった、ごめんな。
でももう大丈夫、多分大丈夫だよ。
「………」
雄也の腕の重さと鼓動だけを感じる。
あぁ、あったかい場所だ。
そろそろカーテンから日が射し込むかな。
でも起きたくない。このままでいたい。
次に菅原慎と俺が会うのはいつだろう。
そんなこと、考えずに済むように。
雄也の鼓動だけを聞いていたい。
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