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創作小話。同性愛的表現含。
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ここ最近、雄也は俺の家にずっと泊まりっぱなし。
学校終わったら、いったん自宅には戻るけど、
郵便物と冷蔵庫の中身を確認して、あまり手間のかからない植物の世話して、
それから車で俺の家まで来て、晩メシも食べて泊まる。
学校には、ふたりで俺の家から直接行く。
ジャガーさんは一緒に家に連れて来てるし心配ない。
冷蔵庫チェックで賞味期限が近いのが発覚した食品も持ち込んできて、
一緒に朝晩の食事にすることもしばしば。

雄也といるのは楽しいし嬉しいし、だけど。
だけどちょっと、なにかおかしい気がする。



「雄也、たまには家帰れよ」
「あー……だよな」
「家賃だって払ってんだしさ、勿体ないしょ」
「…ごめん、なんか居候みたくなってて」
「それは良いよ、全然。良いんだけど」



居候とかそんなん、本当にどうでもいいよ。
でも、こんなに連日泊まり続けなんて、今まで無かったから。
どうしたのかな、雄也、なにかあったのかな。
優しく、さりげなく、訊いてあげられたら良いのに。



「帰りたくないの」
「……んーん」
「じゃなんで」



これじゃダメだ、冷たい感じがする。
突き放したいわけじゃない、なのに俺の口は…。



まるで、出てけ、って言ってるよう。



「…迷惑、とは分かってんだ、ホントごめん」
「迷惑なんかじゃないって、でも」
「ここにいたい」



ジャガーさんに寝床も作ったよ、お前の着替えも勉強道具も、
好きなCDも全部この部屋に持って来た。
洗面所のコップには歯ブラシが2本入ってるよ、
もうこの部屋には、お前の質量が溶け込んでる。
あまりに自然に鮮やかに、戸惑いも帯びて。



「いたい…って」
「……いたいんだよ」
「住む…の」
「…………分かんない」



少し高鳴った俺の胸は、期待したんだろうか。
雄也がずっとこの部屋で生活することを想像して。
望んだ、のかも。



でもどうして、何処かで「いけない」と制する自分。
雄也と住むことになったら、ずっと一緒だけど、
それはきっと幸せに変わりないことだけど。



カーテン、そうだ、青いカーテン。
一緒に買いに行って、結局おそろいにした。
雄也の部屋にも同じカーテンはあるのに。
俺のこの部屋にも、同じ青はあるのに。
お前が今、自分のあの部屋を必要としてないなら、
俺らが一緒に買った青の意味も無くなるの。
お互い行き来して、言葉には出さないけど、
「同じ空間だ」って安心する時間は、どこへ行くの。



「……帰って欲しいって、言ってるわけじゃないから」
「…うん」
「ただホント、あっちの家賃とかも気になって」
「だよな、払ってんのに住んでないとか」
「…でも、今日も泊まってって」



そろそろ、隣りにお前がいない朝を忘れてきてるんだ。
今いなくなったら、俺だってそれなりに大人だけど、
やっぱり寂しい寂しい寂しい愛しい。
そうしたら、もっと会いたくなってそばにいたくなって。



また離れて、痛感する恋しさ。
このまま一緒になって、生活を共にする安心感。



どっちが歯止め効かないだろうね。
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初めに
おおさわ潤が創作する、BL含む日常小話。 友情物語もあり。 過激な性的表現・年齢制限を含む作品は無し。 自己範囲でお楽しみ下さい。
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