早朝、といっても真冬だからまだ真っ暗だけど。
目が覚めてしまって、横で寝る雄也にすり寄る。
「…起きたくねー」
「…ちとせ…早くね?」
朝なんか来なきゃいいのに。
でも、直に空は白んでいく。
「やだなぁ、ホントなんで朝になんの」
「…学校嫌なの?朝ダルい?」
「学校は別に嫌じゃないけど、朝もダルくないし」
「ふーん…」
舌打ちしたくなるくらい憂鬱。
お前の腕の中から出なきゃなんない時間が迫る。
もっと、こうしてたいのに。
「もー目ぇ覚めちゃったよ」
また夢の中に戻ることも出来ない。
ただ、時間が経つのを鬱々と待つだけ。
「ねぇ雄也…」
「………」
良いよなぁ、簡単に現実から離れられて。
俺のこと置いてってさ。
寝起き悪い雄也が羨ましい。
「雄也ぁ」
「…ぁー…」
ヤダ、離れたくない。
また夜になれば同じ時間が来る。
ソファでもベッドでも、とにかく一緒。
くっついていられるのに。
「もー朝だよ…」
起きて朝食の準備でもすりゃいーのに、
こうしてるのが無駄な時間とは思えない。
「……寒い」
そう言って、ちょこっと布団に潜る。
雄也の鎖骨の辺りに顔をうずめて、そこにキスをする。
また今夜、この痕を確認するんだ。
それで、離れてないことを実感したいんだ。
お前は着替えのときに焦るだろうけどね。
襟が開いた服は着られないね。
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