手紙だと、直接言えないことも書ける。
それって結構ホント。
「それ、誰に書いてんの」
「ちとせに」
「俺?目の前にいんのに」
「うん、でもまぁ手紙」
「あそー?なんかやましい事?」
やましい事なんかねーよっ。
ただ、言いたいことが多過ぎて、
直接言葉にするには難しいから文字で書く。
好きだとか一緒にいてくれてありがとうとか、
普段ちょっとしたタイミングで言えそうなもんだけどね。
実際、言うのと書くのじゃ大違いだ。
「なに見てんだよー」
「えーダメなの?どうせ見んのに」
「ダメだよ、あっち行って」
「なんだそりゃ」
元気か?っつーか今お前、隣りにいるけど。
なぁ、すっげ寒くね?暖房入れろよ。
それはそうと、最近よく思う。
俺、お前ん事めちゃくちゃ好きだわ。
ホント、離れたくないって思う。
あ、キモいとか思ったしょ今。
いーけどね、別にさ。
今日の晩メシはキムチ鍋です。
材料はまぁ揃ってんだけど、
豆腐が無い。ちょっと買って来てよ。
俺、鍋の用意するから。
「郵便で送んのソレ」
「まさか、書いたらお前に渡すよ」
直接言えないこと、言ってること、どうでもいいこと、
まとまんない文章にしたら、直接お前に渡すよ。
お前が手紙の封を切るときは、俺のいないとこでね。
そんで、内容に関しては直接言葉では返事しないで。
溜め息でもいい、微笑みでも、キスでもいいから。
話さず繋がるって、出来るんだよきっと。
そんな風に実感させて。
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